スイスの世界遺産一覧|全13件を地図と見どころでやさしく解説
氷河も、絶景列車も、時計の街も。アルプスの国スイスが誇る世界遺産を、まるっと総まとめ
スイスの絶景をあつめたテレビ番組を見ていて、氷河に絶景列車、時計の街まで次々に登場するのを見ながら「スイスって、世界遺産がいくつあるんだろう?」と気になって数え始めたのが、この記事のきっかけでした。調べてみると、その数はぜんぶで13件。しかも氷河のような自然の遺産から、修道院やお城のような歴史ある遺産まで、種類がとても豊かなんです。今回は、スイスの世界遺産を一覧でまるっと整理しつつ、有名な見どころも子どもにもわかるようにやさしく紹介していきますね。
この記事で分かること
- スイスの世界遺産は全部でいくつあるのか(一覧つき)
- いつから登録され、どんな種類に分かれるのか
- ユングフラウ-アレッチやレーティッシュ鉄道など有名な見どころ
- 複数の国で分け合う「越境の世界遺産」というしくみ
スイスの世界遺産とは?基本と全13件一覧
まずは、スイスの世界遺産がどれくらいあって、どんな顔ぶれなのかを一気に見ていきましょう。

スイスの世界遺産は全部でいくつ?
スイスの世界遺産は、全部で13件あります。内訳は文化遺産が9件、自然遺産が4件。スイスは1975年と早い時期に世界遺産条約に加わった国で、自然も歴史もバランスよく登録されているのが特ちょうです。国の広さのわりに種類がとても豊かで、氷河・鉄道・ぶどう畑・時計の街・修道院・お城…と、まるで世界遺産の見本市のようなんですよ。
スイスの世界遺産一覧を早見表で紹介
13件をまとめた早見表です。気になる遺産があったら、あとの章でくわしく紹介していきますね。
| 名称 | 登録年 | 種別 | ひとことで |
|---|---|---|---|
| ベルン旧市街 | 1983 | 文化 | 川に囲まれた中世の首都、時計塔の街 |
| ザンクト・ガレン修道院 | 1983 | 文化 | 世界有数の美しいバロック図書館 |
| ミュスタイアの修道院 | 1983 | 文化 | 約1200年前のフレスコ画が残る |
| ベリンツォーナの3つの城 | 2000 | 文化 | アルプスの道をふさぐ要塞都市 |
| ユングフラウ-アレッチ | 2001 | 自然 | 欧州最大級の氷河と名峰群 |
| サン・ジョルジオ山 | 2003 | 自然 | 2億4千万年前の化石の宝庫 |
| ラヴォーの葡萄畑段丘 | 2007 | 文化 | レマン湖畔に続く段々のぶどう畑 |
| レーティッシュ鉄道 | 2008 | 文化 | 山岳鉄道建築の金字塔、絶景列車 |
| サルドーナ地殻変動地帯 | 2008 | 自然 | 地層が逆転した地質学の記念碑 |
| ラ・ショー・ド・フォン/ル・ロクル | 2009 | 文化 | 時計産業のために設計された街 |
| アルプス周辺の杭上住居群 | 2011 | 文化 | 約5千年前の湖畔の住居あと(越境) |
| ル・コルビュジエの建築作品 | 2016 | 文化 | 近代建築の父の作品群(越境) |
| 原生ブナ林 | 2021追加 | 自然 | 氷河期を生きのびたブナの森(越境) |
スイスの世界遺産はいつから登録された?
スイスが世界遺産条約に加わったのは1975年で、世界でも早いほうの参加国です。最初に登録されたのは1983年のベルン旧市街・ザンクト・ガレン修道院・ミュスタイアの修道院の3件。そこから2021年のブナ林の追加まで、およそ40年かけて少しずつ13件に増えてきました。古い街並みから氷河、そして近代建築まで、登録された順番をたどるだけでもスイスの魅力の広さが見えてきますね。
文化遺産・自然遺産・越境遺産の違い
世界遺産は大きく、人がつくった「文化遺産」と、自然が生んだ「自然遺産」に分かれます。スイスは文化9・自然4という組み合わせ。さらにスイスの遺産には、複数の国で一つの遺産を分け合う(きょうゆうする)「越境遺産」も3件あります。杭上住居群・ル・コルビュジエの建築・原生ブナ林がそれで、スイスだけでなくお隣の国々と力を合わせて守っているんですよ。
豆知識:越境の世界遺産って?
一つの遺産が国境をまたいで登録されるしくみです。たとえば杭上住居群はスイスをふくむ6か国で、スイス国内だけでも56か所が対象になっています。「みんなで守る宝物」というイメージですね。
スイス世界遺産の有名な見どころ紹介
ここからは、13件のなかでもとくに人気の高い見どころを、テーマごとにピックアップして紹介します。

ユングフラウ-アレッチと氷河の絶景
スイスの自然遺産といえば、まずここ。アイガー・メンヒ・ユングフラウの名峰群と、ヨーロッパ最大級の「アレッチ氷河」が広がる地域です。すぐそばには標高3,454mのユングフラウヨッホ(ヨーロッパでいちばん高い駅)もあり、テレビ番組でもよく登場します。氷河のくわしい話や、いま進む後退(気候変動)については、アレッチ氷河の記事でたっぷり紹介していますよ。
レーティッシュ鉄道で行く山岳鉄道の旅
スイスの世界遺産のなかでもちょっと変わっているのが、鉄道そのものが遺産になっている「レーティッシュ鉄道」。アルプスの険しい山々を、美しい橋やループでこえていく建築技術が高く評価されました。真っ赤な絶景列車ベルニナ急行が有名です。乗り物好きにはたまらない世界遺産で、くわしくはレーティッシュ鉄道の記事をどうぞ。
ベルン旧市街と時計塔の街あるき
スイスの首都ベルンの旧市街は、1983年に登録された古株の世界遺産。アレ川に三日月状に囲まれた街には、6kmも続く屋根付きのアーケードや、からくり仕掛けの時計塔「ツィットグロッゲ」があります。街の名前は「熊」に由来し、今も熊が飼われているというユニークな街なんですよ。
豆知識:ベルンとアインシュタイン
かの有名な物理学者アインシュタインは、ベルンに住んでいた1905年に「特殊相対性理論」の論文を発表しました。時計塔のすぐ近くに、当時の住まい(アインシュタインハウス)が残っています。
ラヴォーの葡萄畑とサン・ジョルジオ山
レマン湖のほとりに約30kmも続く段々のぶどう畑が「ラヴォー地区の葡萄畑段丘」。太陽の光、湖の照り返し、石垣の蓄えた熱という「三つの太陽」がおいしいワインを育てる、と言われる文化的景観です。いっぽう南部のティチーノ州にある「サン・ジョルジオ山」は、約2億4千万年前の海の生きものの化石がぎっしり見つかる、まるで太古の海の博物館のような自然遺産です。
修道院と城が伝える中世スイス
歴史好きにおすすめなのが、修道院とお城の遺産たち。ザンクト・ガレン修道院には約17万冊を収める世界屈指の美しい図書館があり、ミュスタイアの修道院には約1200年前のフレスコ画が今も残っています。ティチーノ州のベリンツォーナには、アルプスの通り道を守る3つの城がそびえ、中世スイスの姿を今に伝えています。
まとめ:スイスの世界遺産をめぐる旅
スイスの世界遺産は全13件。氷河のような雄大な自然から、時計の街や修道院といった人の営みまで、これほど多彩な遺産がそろう国はそう多くありません。まずは気になった一つから、この記事の関連リンクをたどってのぞいてみてください。スイスの世界遺産をめぐる旅は、きっと地理も歴史も理科も楽しくなるきっかけになりますよ。

自由研究コーナー
【小学生むけ】知ってた?スイスの世界遺産で一番大きい氷河は?
答え:ユングフラウ-アレッチ地域にある「アレッチ氷河」です。ヨーロッパのアルプスでいちばん大きな氷河で、長さはおよそ20〜23kmもあります。
まめ知識:そのすぐ近くには、標高3,454mの「ヨーロッパで一番高い駅」ユングフラウヨッホがあります。
【中学生むけ】知ってた?文化遺産と自然遺産って何がちがうの?
答え:人がつくった街や建物などが「文化遺産」、自然が生んだ山や氷河などが「自然遺産」です。スイスは文化9件・自然4件のバランス型です。
まめ知識:両方の価値をあわせ持つ「複合遺産」というものもありますが、スイスには今のところありません。
【高校生むけ】知ってた?なぜ複数の国で一つの世界遺産になるの?
答え:同じ価値を持つ遺産が国境をまたいで分布している場合、関係する国々が共同で登録できるからです。これを「越境(トランスバウンダリー)遺産」といいます。
まめ知識:スイスの杭上住居群は6か国、ル・コルビュジエの建築は7か国が協力して守っています。
まずはスイスの氷河の世界遺産、アレッチ氷河の記事や、絶景列車のレーティッシュ鉄道の記事から読み進めると、スイスの世界遺産の魅力がぐっと身近に感じられますよ。