TRAVEL GUIDE

ベルニナ急行の乗り方
予約・料金・パスと普通列車の違い

はじめてでも迷わない、乗車の基本ガイド

※記事内の画像はイメージです

レーティッシュ鉄道の絶景を調べていくうちに、「実際に乗るなら、どう予約すればいいんだろう?」という疑問がわいてきました。ベルニナ急行(ベルニナエクスプレス)は予約が必要らしい。でも同じ路線に予約なしで乗れる列車もあるらしい——このあたりが最初はよくわからなかったんです。

そこで、乗り方・予約・料金の基本を、公式情報をもとに私OWT編集部が整理してみました。ポイントを先に言うと、「パノラマ車両か、普通列車か」で予約も料金も変わるという点。ここさえ押さえれば、旅の計画がぐっとラクになりますよ。

はじめに(大切な注意)
この記事の料金・時刻は2026年8月時点で公式サイトを確認したものです。料金・時刻・予約開始時期は変わりますので、乗車前に必ず各公式サイト(記事末尾に一覧)で最新情報をご確認ください。通貨はCHF(スイスフラン)表記です。

I. ベルニナ急行ってどんな列車?

ベルニナ急行は、レーティッシュ鉄道が運行するパノラマ列車です。クール/サンモリッツ〜ティラーノ(イタリア)を結び、世界遺産のベルニナ線の絶景を大きな窓から楽しめます。距離は約148km、所要はおよそ4時間(公式はクール〜ティラーノで約4時間、資料により4時間21分の表記もあります)。

ここで最初に知っておきたいのが、同じベルニナ線を「2種類の列車」が走っているということ。ひとつが予約必須のパノラマ列車「ベルニナ急行」、もうひとつが予約なしでも乗れる「地域列車(普通列車)」です。景色はどちらもほぼ同じ。この違いが、乗り方と料金を左右します。

屋根まで届く大きなパノラマ窓が特徴の赤いベルニナエクスプレスがアルプスの谷を走る予約必須のパノラマ車両の外観
屋根まで回り込む大きな窓が目印のパノラマ車両「ベルニナ急行」。※イメージ

II. 予約は必要?パノラマと普通列車の違い

ここが最重要ポイントです。表で整理します。

パノラマ車両
(ベルニナ急行)
座席予約が必須。乗車券に加えて予約が要る。人気便は早く埋まる
地域列車
(普通列車)
座席予約は任意(予約はサンモリッツ〜ティラーノ間のみ)。予約なしでも乗車OK。本数も多い

つまり「ベルニナ急行そのもの」に乗りたいなら予約は必須。逆に、景色は同じでいいから気軽に・安く乗りたいなら、予約不要の普通列車が便利です。しかも普通列車は窓が開くので、写真撮影に有利という声もあります。

見分け方のコツ:屋根まで回り込む大きなパノラマ窓+白い「Bernina Express」ロゴ=ベルニナ急行。通常の窓=地域列車です。旅行代理店などで「Bernina Express」と表記されていても、実際は地域列車(Trenino Rosso等)のことがあると公式も注意を促しています。予約したのがどちらか、購入時に確認しましょう。

通常の窓を備え予約なしで気軽に乗れるベルニナ線の地域列車がアルプスの風景を走る安く乗るための選択肢のようす
予約なしでも乗れる地域列車。景色はベルニナ急行とほぼ同じ。※イメージ

III. 料金の内訳:運賃と予約料は別

料金でつまずきやすいのが、「運賃(乗車券)」と「座席予約料」は別建てだということ。パノラマ車両に乗るには、この両方が必要です。すでにパス(後述)を持っている場合は、予約料だけを追加で払う形になります。

運賃の目安は次のとおりです(2026年8月時点・公式オンラインショップ確認/予約料・サーチャージは別)。

区間 2等片道 1等片道
クール〜ティラーノ CHF 66 CHF 113
クール〜ポスキアーヴォ CHF 59 CHF 101
サンモリッツ〜ティラーノ CHF 33 CHF 57
サンモリッツ〜ポスキアーヴォ CHF 25 CHF 42.60

子供は6歳未満無料、6〜16歳は半額。往復運賃は片道の約2倍が目安です。

座席予約料について:地域列車の任意予約は1人1区間 CHF 5(1等・2等とも)と明確です。一方、パノラマ車両(ベルニナ急行)の予約料は「区間・シーズンによって変動」とされ、公式は統一額を公表していません。予約画面で区間・日付を入れると確定金額が出ます。ネット上に出回る固定額(CHF 36等)は非公式情報なので、この記事では採用していません。

IV. パスは使える?予約はどこで?

スイストラベルパス・ユーレイル

結論、運賃部分はカバーされます。スイストラベルパス(およびGA、ユーレイル/インターレイルのグローバルパス)を持っていれば、ベルニナ急行の乗車券は追加不要。ただし座席予約料は別途必要です。パス保持者の支払いは「予約料(+必要ならクラスアップ)」だけ、と覚えておけばOKです。

パス保持者の乗り方はシンプル。①パスは持っている → ②予約だけ買う → ③乗車時にパス+予約を提示。これだけです。地域列車ならパスで追加料金ゼロ、そのまま乗れます。

予約できる場所と時期

予約はRhB公式オンラインショップで乗車券とまとめて買えます(パス保持者は予約のみも可)。SBB公式サイト/アプリでも予約でき、こちらは座席図から好きな席を選べるのが便利です。

予約開始は、公式FAQによればベルニナ急行はダイヤ期間全体について予約可能。新しいダイヤ期間の販売は、ダイヤ改正のおよそ2か月前から始まります。人気便は満席になりやすいので、日程が決まったら早めの予約が鉄則です。

V. 予約なしで安く乗るコツ

「予約が面倒」「少しでも安く」という人に、公式情報から使える手を3つ。

① 地域列車(普通列車)を使う。同じベルニナ線・同じ世界遺産ルートを走り、ラーゴ・ビアンコもブルージオのループ橋も車窓は共通。運賃も同じで、予約料なし。パス保持者なら追加ゼロで乗れます。本数も多く、窓が開くので撮影にも有利です。

② 公式のラストミニットを狙う。オンライン限定・出発6日前までの予約で、必須の座席予約込みの往復パッケージがCHF 87〜(2026年8月時点)。区間・シーズンで変動します。

③ 混雑を避ける。好天・週末・休暇シーズンは特に混みます。時期や便をずらせば、予約不要の普通列車でもゆったり座れます。

旅の前に確認を:2026年10月29日〜11月13日は工事のため一部のベルニナ急行が迂回運行になります。また、ティラーノはイタリア領のため入国にパスポートまたは身分証明書が必要です。最新の運行情報は公式サイトでご確認ください。

自由研究コーナー

「予約」と「料金」の仕組みから、鉄道の世界を考えてみましょう。

小学生向け:どうして予約がいる列車といらない列車があるの?

Q. 同じ景色なのに、なんで2種類の列車があるの?
A. ゆったり大きな窓で楽しむ「特別な列車」と、地元の人も使う「ふつうの列車」があるからです。特別な列車は座る場所を先に決める(予約する)ので、みんなが安心して座れます。

Q. 予約って何のためにするの?
A. 「この席はあなたのものですよ」と先に決めておくことです。人気の列車は乗りたい人が多いので、予約しておけば当日座れなくて困る心配がありません。

中学生向け:運賃と予約料はなぜ分かれている?

Q. なぜ「運賃」と「予約料」が別々なんだろう?
A. 運賃は「その区間を移動する対価」、予約料は「特定の座席を確保する対価」だからです。分けておくと、すでにパスを持つ人は予約料だけ払えばよく、無駄がありません。

Q. 同じ景色の普通列車があるのに、なぜベルニナ急行はお金を払う人がいるの?
A. 大きな窓・観光解説・確実に座れる安心など、「体験」に価値を感じる人がいるからです。人は移動だけでなく、快適さや特別感にもお金を払う——身近な経済の例ですね。

高校生向け:なぜ「変動する料金」があるのか

Q. パノラマ車両の予約料が「区間・シーズンで変動」なのはなぜだと思う?
A. 需要が高い時期・区間は価格を上げ、低い時期は下げることで、混雑を分散させ収益も安定させられます。飛行機やホテルと同じ「変動料金(ダイナミックプライシング)」の考え方が、観光列車にも使われているんです。

Q. 発展学習:身近な「変動する料金」を探してみよう。
A. 航空券、テーマパーク、電気料金など、時期や時間で値段が変わるものを探し、「なぜ変動させるのか」を考えてみると、価格の仕組みが見えてきます。

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