グレートバリアリーフの生き物図鑑!固有種や絶景ポイントも紹介

グレートバリアリーフの調査資料を読んでいたとき、魚だけで1,600種以上、ウミガメは世界の7種のうち6種がいると知って、思わず声が出てしまったのが今回のきっかけでした。私自身、水族館くらいでしか海の生き物を見たことがなかったので、これだけの数の生き物がひとつの海域に集まっていることが、なかなか想像できなくて。今回は、そんなグレートバリアリーフに暮らす生き物たちと、その生態系を守るための取り組みを紹介します。

この記事で分かること

  • グレートバリアリーフに暮らす魚やウミガメなどの多様な生き物
  • グレートバリアリーフだけで見られる固有種の存在
  • オニヒトデの被害と、それに立ち向かう防除プログラム
  • 観光客も参加できる、生態系を守るための仕組み

グレートバリアリーフに暮らす生き物図鑑

まずは、グレートバリアリーフにどれだけ多様な生き物が暮らしているのか、代表的な仲間たちを紹介していきます。

魚だけで1600種以上!圧倒的な多様性

グレートバリアリーフ海洋公園局(GBRMPA)によると、この海域には1,625種もの魚類が生息しているとのこと。さらに軟体動物は6,000種を超え、棘皮動物(きょくひどうぶつ。ヒトデやウニの仲間)は630種、サメやエイの仲間も136種にのぼります。まさに海の生き物図鑑がまるごと1か所に詰まっているような場所なんですね。

ウミガメとジュゴンに出会えるかも

世界には海ガメが7種いますが、そのうち6種がグレートバリアリーフで確認されているそう。海藻を主食とするジュゴンも、この海域の象徴的な生き物のひとつです。運が良ければ、シュノーケリングやダイビングの最中にこうした生き物と出会えることも。

グレートバリアリーフのサンゴ礁を泳ぐウミガメと熱帯魚たちの水中の様子
※イメージ

クジラ・イルカも仲間入り

グレートバリアリーフには、クジラやイルカの仲間も30種を超えて確認されているんですよ。中でもドワーフミンククジラは、6〜8月ごろのベストシーズンに見られることで知られ、この海域ならではの観察チャンスとして人気があります。

グレートバリアリーフだけの固有種

代表的な固有種のひとつが、オーストラリア博物館が「グレートバリアリーフ固有」と紹介しているエポレットシャーク。歩くように海底を移動する、ちょっと変わったサメの仲間で、浅瀬でも観察しやすい人気者です。

エポレットシャークってどんなサメ?
ヒレを使って海底を歩くように移動することから「ウォーキングシャーク」とも呼ばれています。おとなしい性格で、人を襲うことはほとんどありません。

海鳥たちの楽園

海の中だけでなく、空にも多様な生き物がいるんです。グレートバリアリーフの島々では、約240種の鳥が確認されており、そのうち20種が実際にこの海域の島で営巣(えいそう。巣をつくって卵を産み育てること)しています。

代表的な観察スポット

ケアンズ沖のグリーンアイランドは、190種を超えるハードコーラルと100種のソフトコーラルが確認されている、生き物観察にぴったりのスポット。ウミガメとの遭遇率が高いことで知られるロー諸島(Low Isles)も、初心者からベテランまで人気がありますよ。

グレートバリアリーフの生態系を守るしくみ

これだけ豊かな生態系も、放っておいて自然に守られているわけではないんです。ここからは、生態系を脅かす存在と、それを守るための取り組みを紹介しましょう。

グレートバリアリーフの保護活動をイメージしたサンゴ礁と潜水調査の水中風景
※イメージ

オニヒトデ(COTS)との戦い

オニヒトデはサンゴを食べてしまうヒトデの仲間で、大量発生するとサンゴ礁に深刻なダメージを与えてしまいます。GBRMPAの防除プログラムでは、2024〜25年度だけで234の礁を監視し、7万3,881匹ものオニヒトデが駆除されたそう。地道な監視と駆除の積み重ねが、サンゴ礁を守る大きな力になっています。

市民科学プログラムEye on the Reef

「Eye on the Reef」は、観光客や観光事業者がリーフの健康状態や生き物、異常な出来事を報告できる市民科学プログラムのこと。専門家だけでなく、実際に海を訪れる人たちの目も、生態系のモニタリングに役立てられているんですね。

リーフ大使Master Reef Guideの役割

「Master Reef Guide」は、最新の科学的知見や保全の取り組みを来訪者に伝える、いわば“リーフ大使”のような制度。2024年時点で166人のガイドが、北のリボン・リーフから南のレディ・エリオット島まで配置されているそうです。

まとめ:生き物たちの楽園を未来へつなぐ

グレートバリアリーフは、魚類だけで1,600種を超え、ウミガメやジュゴン、固有種のサメまで暮らす、まさに海の生き物図鑑のような世界遺産。その豊かさを支えているのは、防除プログラムや市民科学など、地道な保護活動の積み重ねでもあるんですね。実際に会いに行きたくなった方は、観光ガイドの記事もあわせてどうぞ。

自由研究コーナー

🔰 小学生向け:エポレットシャークはどうして歩けるの?

答え:胸ビレとお腹側のヒレを足のように使って、海底を交互に押すことで歩くように移動できるからです。

まめ知識:エポレットシャークは、酸素の少ない浅い潮だまりでも生きられる特別な体のしくみを持っています。潮が引いた場所に取り残されても平気なんです。

📘 中学生向け:オニヒトデはなぜ大量発生するの?

答え:陸から流れ込む栄養分の増加や、天敵の減少などが重なると、オニヒトデの幼生が大量に生き残りやすくなり、爆発的に増えることがあります。

まめ知識:オニヒトデは1匹のメスが1回で数千万個もの卵を産むことがあります。条件がそろうと、あっという間に数が増えてしまう理由のひとつです。

🎓 高校生向け:観光客の報告が科学的なデータになるのはなぜ?

答え:広大なグレートバリアリーフ全域を研究者だけで常時観察するのは不可能なため、多数の観光客・事業者からの報告を集めることで、異常発生や白化の早期発見につなげているためです。

まめ知識:このような「市民科学(シチズンサイエンス)」の手法は、天文学や気象観測など、他の科学分野でも広く活用されています。

グレートバリアリーフそのものについてはこちらの概要記事、実際に訪れる際の情報は観光ガイド記事にまとめています。

出典・参考文献

  • Great Barrier Reef Marine Park Authority (GBRMPA): Fascinating facts
  • UNESCO World Heritage Centre: Great Barrier Reef
  • Australian Museum: Epaulette shark
  • GBRMPA: Crown-of-thorns starfish control program
  • GBRMPA: Eye on the Reef
  • GBRMPA: Master Reef Guides